覚えていなくても参加できるとはいえ、この機会に練習してみましょう!
アガってすぐに点数を言える人は、計算が速いのももちろんですが、アガる前から点数の計算を始めています。 たとえばリーチをかけたら原則として手は変わりませんから、ドキドキしながらアガリを待つだけではなく、アガれた場合の点数を計算し始めましょう。 上級者はさらに前の段階から、収入の見込みをもとに狙う役や攻めるか降りるかの判断などをしています。
ゲームではアガリのボタンさえ押せば点数は勝手に表示されますが、そのようなシステムは広まっていませんので参加者 (や審判) が計算して口頭で確認します。 たとえば満貫と呼ばれる点数を例に点数申告の例を挙げます。
- 子のロン:「8000」
- 子のツモ:「2000/4000」(2人の子から2000ずつ、親から4000で合計8000)
- 親のロン:「12000」
- 親のツモ:「4000オール」(3人の子から4000ずつ、合計12000)
ツモアガリを口頭で申告するときは、自分の収入合計ではなく各プレイヤーから受け取る点数を上のように申告します。子は「(子からの点数)/(親からの点数)」、親ならば「(子からの点数)オール」と申告します(「/」は間を置くことを意味する)。
役の一覧を参照しながら、役を数えます。 後述する「場ゾロ」という制度を「数えた結果には常に2を足す」と表現することがありますが、この節では「2を足す前」の値を使います。
点数計算の上で、特に重要なのがピンフです。 その定義は
- 鳴かない
- 4つの順子
- アタマは役牌でない
- テンパイは両面待ち
と、少しややこしく感じるとか、気づくのが苦手という人もいます。 あまり慣れていない方へは「リーチをかけたときに両面待ちだったら、ピンフかもしれないので、残りも順子かどうか・アタマが役牌でないかどうかをチェックしましょう」と教えています。 これは後述の符計算と強くかかわっています。
なお、「鳴いたピンフ」は役になりませんが、点数計算の上で例外として扱われます。
数える順番は特に決められていませんが、
- 小さい役を先に数える
- 頻出の役を先に数える
- 手牌全体で作る役を先に、手牌の一部で作る役を後に数える
などのような順番で数える人が多いです。
ほとんどの人が
- ドラは最後に数える
としています。
上から順に見ていき、最初に一致した項目へ進みます。
- 役満
- 5飜以上
- チートイツ
- メンゼンツモ+ピンフ
- ピンフ
- その他
ここでは点数計算の原則の通りに計算するため、符計算を必要とします。 符計算の方法は後述します。
点数は符と役の数によって決まり、以下のようになります。
子ロン | 1飜 | 2飜 | 3飜 | 4飜 |
---|---|---|---|---|
30符 | 1000 | 2000 | 3900 | 7700 |
40符 | 1300 | 2600 | 5200 | |
50符 | 1600 | 3200 | 6400 | |
60符 | 2000 | 3900 | 7700 | |
70符 | 2300 | 4500 | ||
80符 | 2600 | 5200 | ||
90符 | 2900 | 5800 | ||
100符 | 3200 | 6400 |
親ロン | 1飜 | 2飜 | 3飜 | 4飜 |
---|---|---|---|---|
30符 | 1500 | 2900 | 5800 | 11600 |
40符 | 2000 | 3900 | 7700 | |
50符 | 2400 | 4800 | 9600 | |
60符 | 2900 | 5800 | 11600 | |
70符 | 3400 | 6800 | ||
80符 | 3900 | 7700 | ||
90符 | 4400 | 8700 | ||
100符 | 4800 | 9600 |
空欄は5飜と同じ満貫で、子なら8000点、親なら12000点です。
ツモ | 1飜 | 2飜 | 3飜 | 4飜 | |
---|---|---|---|---|---|
30符 | 300 | 500 | 1000 | 2000 | 3900 |
40符 | 400 | 700 | 1300 | 2600 | |
50符 | 400 | 800 | 1600 | 3200 | |
60符 | 500 | 1000 | 2000 | 3900 | |
70符 | 600 | 1200 | 2300 | ||
80符 | 700 | 1300 | 2600 | ||
90符 | 800 | 1500 | 2900 | ||
100符 | 800 | 1600 | 3200 |
表の対応するマスの左側が子どうしのやりとり、対応するマスが親子間のやりとりです。 (例:子の40符2飜は400/700、親の50符3飜は3200オール) 空欄のマスまたは空欄のマスを含むときは5飜と同じ満貫で、子なら2000/4000, 親なら4000オールです。
この表の点数がどのように計算されるかも後述します。
役満には固定された点数が与えられており、子なら32000点、親なら48000点です。 ツモると子どうしのやりとりが8000点、親子間のやりとりが16000点です。
点数申告は子のロンで「32000」親のロンで「48000」子のツモで「8000/16000」親のツモで「16000オール」となります。
役の数が5以上のときは役の数のみによって決まる点数が与えられています。 点数申告は順に「子のロン」「親のロン」「子のツモ」「親のツモ」を表すことにします。
- 5飜の手は「8000」「12000」「2000/4000」「4000オール」です。満貫 (マンガン) と呼ばれます。
- 6-7飜の手は「12000」「18000」「3000/6000」「6000オール」です。跳満 (ハネマン) と呼ばれます。
- 8-10飜の手は「16000」「24000」「4000/8000」「8000オール」です。倍満 (バイマン) と呼ばれます。
- 11飜以上の手は「24000」「36000」「6000/12000」「12000オール」です。三倍満 (サンバイマン) と呼ばれます。
この項目はアガリ役にチートイツ[2]を含む4飜以下の手です。 点数申告は順に「子のロン」「親のロン」「子のツモ」「親のツモ」を表すことにします。
- 2飜、つまりチートイツのみは「1600」「2400」で「子のツモ」「親のツモ」はありません。
- 3飜の手は「3200」「4800」「800/1600」「1600オール」です。
- 4飜の手は「6400」「9600」「1600/3200」「3200オール」です。
役が増えるたびに、ちょうど2倍になっているのがわかります。
チートイツは2飜の役ですが、符計算が他の役と異なります。 ツモ・ロンどちらでも25符と決まっていて、他の符は足しませんし、切り上げません。 これを後述の計算式に代入すると、このような点数が出てきます。
この項目はアガリ役にメンゼンツモ[1]ピンフ[1]を含む4飜以下の手です。 ロンはありませんので、点数申告は順に「子のツモ」「親のツモ」を表すことにします。
- 2飜、つまりメンゼンツモ・ピンフのみは「400/700」「700オール」です。
- 3飜の手は「700/1300」「1300オール」です。
- 4飜の手は「1300/2600」「2600オール」です。
後述の原則通りに計算すると30符となりますが、例外的に20符とします。 これを計算式に代入すると上のような点数になります。
この項目はアガリ役にピンフ[1]を含み、メンゼンツモを含まない4飜以下の手です。 ツモはありませんので、点数申告は順に「子のロン」「親のロン」を表すことにします。
- 1飜、つまりピンフのみは「1000」「1500」です。
- 2飜の手は「2000」「2900」です。
- 3飜の手は「3900」「5800」です。
- 4飜の手は「7700」「11600」です。
実は、これは例外ではありません。 後述の原則から、ピンフでロンすると必ず30符になります。
「高い手」「チートイツ」「ピンフツモ」「ピンフロン」の点数はこのページに書かれています。 それ以外の手では符計算が必要になりますが、多くの場合は
- ポン・チー・明カンしていないロンアガリ: 40符
- その他: 30符
になります。 実践的には、とりあえず (正しくない場合もありますが) このように考えて点数をサッと言えるようになっておき、それから正式な符計算を覚えるとよいでしょう。
符計算は単純で、該当する項目の点数をすべて足します。 計算結果は10単位に切り上げます。
まず、すべてのアガリに20点が与えられます。 そして、アガり方やテンパイの形、アタマには以下の点数が与えられます:
項目 | 点数 |
---|---|
メンゼンロン | 10 |
ツモ | 2 |
待ち1種 | 2 |
役牌のアタマ | 2 |
「メンゼンロン」はポン・チー・明カンをしていないロンアガリです。 「ツモ」は役とは別に、どんなツモアガリにも加算されます。 「待ち1種」とは「そのような解釈ができる」という意味です。 たとえば 12334 という形は 123/34 と分けて 2 と 5 の2種類が待ちですが、2 でアガった場合は 13/234 と分けて2点を主張できます。
アタマ以外の4メンツに与えられる点ですが、順子は0点です。 刻子・槓子は「自分のツモで作ったか人の捨て牌をもらったか」と、構成する牌の種類によって点数が変わります。
- |中張牌(2-8)|幺九牌(19字) :--:|--:|--: 明刻|2|4 暗刻|4|8 明槓|8|16 暗槓|16|32
以上の点数を合計し、10の倍数に切り上げます。 ただし例外があり、計算結果が20符になったら30符とします。 これはピンフを鳴いて作ったロンアガリの場合です。
公式というと苦手だと思う人がいるかもしれませんが、中学生レベルの計算しかしませんので高校生のみなさんにとって内容は難しくありません。 ただし、暗算が得意な方を除けば、この公式で上の点数表にある点数が算出されていることを理解したら、計算結果を覚えることを重視した方がよいでしょう。
記号 ^ は累乗を表します。 たとえば30符1飜なら、基本点は 30×2^3 = 240 となります。
基本点は「子のツモに子が支払う点数」です。 ただし、点棒の単位は100点なので、100の倍数に切り上げて払います。
役が増えると基本点はすぐにとても大きな数になってしまいます。 そのため、基本点は上限の2000を超えると2000になります。
子のツモに親が支払う点数・親のツモに子が支払う点数は、基本点の2倍です。 やはり100の倍数に切り上げて払います。
子のロンは基本点の4倍、親のロンは基本点の6倍で、やはり100の倍数に切り上げて払います。 これは「ツモの場合に支払われる点数の合計」にあたります。 子のツモアガリに支払うのは子(1倍)×2人と親(2倍)×1人なので合計は4倍、親のツモアガリに支払うのは子(2倍)×3人なので合計は6倍です。
以上をみると、切り上げによる端数を無視すれば「役が1つ増えると点数は2倍」「親は子の2倍」また「符が2倍になると、役が1つ増えるのと同じ」などが成り立つとわかります。 実はこれを利用すると、点数表の一部を覚えるだけで残りを復元することができます。 原則は「大きい数を覚えて、割って切り上げる」です。
子は7700, 親は11600です。 これを覚えて、ロンならそのまま申告します。 親のツモは3で割りますが、端数を切り上げると3900オールとわかります。 子のツモは子が1/4ずつ、親が1/2を払うので、4で割って切り上げると2000, 2で割って切り上げると3900となることから、2000/3900 とわかります。
3,2,1飜のときは最初に2,4,8で割ってから同じ計算をすれば正しい値を得ることができます。
60符f飜は30符(f+1)飜と同じです。
子は5200, 親は7700です。 計算は同様で、20符4飜や80符2飜も同じように計算できます。
子は6400, 親は9600です。 チートイツの25符4飜も同じです。 このときは、いっさい端数が出ないので簡単です。
「点数計算を覚えよう」と思い立ったばかりの人が70符の点数を覚える必要はありません。 70符2飜が子4500, 親6800とか90符2飜が子5800, 親8700とかから始めて同じ計算をしてもよいのですが、このころにはもう覚えてしまっていることでしょう。